20110120

現代美術 トランスフォーメーション

みなさん現代美術はお好きですか?
難解に思える現代美術ですが、正しく捉えよう、という気持ちがより難しくさせるものです。アーティストと話しをすると、「意味は多様であり、正解はない、感じてもらえればそれが一番の正解」と話していたことがあります。
近年のArt作品の特徴に、映像作品がかなり増えました。絵筆で芸術を表現していた時代から、表現手法は多様に拡散してきたことは良いことだと思っています。また、絵筆では表現できない作者の意図も存在するでしょう。
 
今、もっとも現代美術界で人気の「マシューバーニー」の作品です。
私が始めて作品を直接見たのは、10年以上前になりますが、そのときは久々のスターアーティストの出現を感じたものです。彼は、Art以外に、医学が専門であり、アメフトの選手で、Fashionモデルもやっていた経歴の持ち主です。パートナーがビョークであることも同時に話題に上がります。表現にも、医学的見地からのテーマが多様に使われます。また、スポーツマンだけに自らの肉体を表現手法に組み込む作品も多様に見られます。
首もとのシワが見えますか? これは、魚の鰓(えら)を表現しています。
この作品もビデオインスタレーションで、一連の映像によって作品が表現されています。
人は命を司ってから多様に変容していきます。受精する時点では、古代の生命体を彷彿させる、単細胞生物の形から細胞分裂を繰り返し、やがて、初期の魚類に、そして、両生類から、地上に上がり、高等霊長類、哺乳類へと進化と変容を繰り返します。ここまでは、母親の母体の中で舞台が繰り広げられるので、私たちが目にするときには、新生児として「未熟な人間」として出現を受けれます。
この作品では、特に、出産から成長、老化し死に至るまでの変容で、メンタル的にも、身体的もトランスフォーメーションする思春期の女性に焦点をあてて作品を表現しています。
ナイーブで、デリケート、しかし、主張と誇張もあり、多様に変容するメンタルの時期であり、同時に初潮や大人の女性へと身体が変容する時期、この、今の変容と、生命が持つ古代からの変容を併せ持ち作品は展開されます。
人類のトランスフォーメーションの人類学的な歴史は、
「人間の動物化」と、「動物の人間化」です。難しく聞こえるので、簡単に説明すると
動物の人間化とは、例えば、アニメで動物が人間のように話し、振る舞う様に見て取れます。不思議の国のアリスに出てくるうさぎとかね。
他方、人間の動物化とは、アフリカで野獣のかぶりものをして宗教的に舞っているさまがそうです。これは、日本の古代からの伝統的な祭りでもみることができます。
上記の作品は、人間の動物化を表現しています。新しく、斬新に見えますが、人類は古代から、「人間の動物化」を表現してきました。
(ブログを書く時間がなくなったので、ここからは後で説明いれるね。今日はこれから、年末調整書類の作成をしなくちゃいけない。)